中国漢方では、未病先防という重要な考え方があります。「未病先防」というのは、病気が発症する前に体質を見ながら対応していく、未然に防ぐという意味です。
「夏病冬治」、「冬病夏治」という治療法もこの考え方に基づいて生まれたのだと思われます。「夏病冬治」、「冬病夏治」は文字通り、夏の病気は冬期の間に治療しておく、冬の病気は夏期の間に治療しておくという意味です。
時節柄、「冬病夏治」について考えたいと思います。
今年の夏は、史上まれな猛暑日が続いており、それにより、毎日大量の汗をかき、体力の消耗が限界に達そうとしています。その結果、エネルギーが減り、免疫力が落ち、体のいたるところに不調が出ている人が多くいるのではないかと思われます。
また、日本の夏は、湿度が高く、湿気が非常に多いのです。この湿気は体内に入り込むと、なかなか追い払うことが難しく、徐々に人間の体に大きなダメージを与えるのです。倦怠感や、胃腸の不調、睡眠障害などがその現われです。症状が改善されないまま冬を迎えると、さらに重い病気に発展してしまう可能性が十分あります。
冬によく現れる症状や病気としては、冷え症、関節痛、咳、風邪、などなど。
これらの症状に対処し、病気を防ぐために、夏の時期から養生をし、免疫力をつけておくことが非常に大事なことです。「冬病夏治」は、まさに中国漢方の素晴らしい知恵と言えましょう。
予防または治療法として、
体を温めるには、「婦宝当帰膠」、
四肢の痛みには、独歩顆粒、活絡丹、
肺を元気に潤いを与えるには、八仙丸、麻杏止咳顆粒
体にバリアを張って免疫力をつけるには、衛益顆粒、涼解楽
これらはあくまでも凡例にすぎません。体質は人によってそれぞれ違います。群馬中医薬研究会の会員店には、漢方相談の専門家が大勢います。お客様の体質を見極めた上で、適切にご提案できるように日々研鑽を重ね続けています。
今年の冬を少しでもラクに過ごしたいと思われる方、今から漢方をご利用になってみてはいかがでしょうか。