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膝の痛み

 梅雨に入って冷たい雨が多くなると膝の痛みに悩まされる人が多くなります。日本はアジアの東端にあって、緑が多くおいしいお米が採れますが、そのかわり、梅雨の時期は湿気で悩まされます。追い討ちをかけるように、クーラーの冷気で膝ばかりか肩や腰の痛みを感じる人も増えます。

 中国漢方では、痛みの質や痛む時期や冷えや熱など具体的な症状から原因をつきとめて、体質別の処方を提案します。痛みの程度が強い場合、口唇や舌の色が黒ずんで舌の裏側の血管が太くなっていることがあります。動き始めが痛く少し動くと楽になります。朝起きたてはすぐに動けません。血の滞りが原因と考えられます。極度のこりや運動不足がその原因と考えられます。昔なら蛭(ひる)を患部に乗せて血を吸わせたこともあります。現在は瀉血(しゃけつ)といって皮膚を傷つけ吸引します。黒い血が抜けると楽になる場合がみられます。飲み薬では疎経活血湯(そけいかっけつとう)を勧めます。

 力が抜けるような、痛いというより力が入らない感じの場合、耳鳴りや記憶力の減退もあります。「しょうがないやねぇ・・歳のせいだから」といわれるケースです。動き始めは楽ですが少し歩くと辛くなって、少し休めば楽に動けます。夕方悪いことが多いです。五臓六腑でいう肝や腎の衰えと考えられます。温水プールで歩いたりして優しく鍛える必要があります。杜仲の木の皮や黒ゴマで薬酒を作って飲むのも効果があります。独活寄生湯(どっかつきせいとう)がお勧めできます。日本には独歩丸(どっぽがん)として輸入されています。

 重だるく、動かしにくく天気予報のように雨の前はよけい辛い場合、舌の引き締まり方が弱く歯の跡がついていたり、舌の上に白い苔が付いていたりします。体臭や口臭も気になります。お灸や電気温熱などで乾かしてあげると楽になります。水分のとりすぎに気を付けましょう。養生と思ってハトムギをご飯に一つまみ混ぜて炊いて食べるのも良いでしょう。麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)を勧めます。

 「漢方薬だから・薬草からできているから・他の人が飲んだら効いたので、自分も長く飲めば効くはずだ」と思ってもあてはずれの薬を長く飲んでも効果は期待できません。痛みの状態や舌の色などきちんと相談をして専門の医師または薬剤師から薬はもらってほしいと思います。