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うつ傾向

 日本人の7人に1人がうつ傾向という報告があります。確かに、ときには行き詰った気持ちになることは誰にでもあることですが、身体症状がなかなか取れない場合もうつ傾向であるといわれます。頭痛・首こり・肩こり・背中のこりに始まって、なかなか取れない疲れ、不安感・焦燥感・イライラや不眠(寝つきが悪い・眠りが浅い・途中で目が覚める・夢が多い)などに悩まされるケースもあります。

 中国漢方は、症状をむりやり取るのではありません。原因となる体質のゆがみを治してその結果、自己治癒力が発揮されて症状を克服してゆくのです。この時期の自然界は、生命力を体の内側に蔵する冬から、芽を出していく春に移り変わる時期です。静から動への大きな変化にさらされます。社会では、進級・新入学・就職と、人間関係の変化も大きい時期です。

 五臓六腑でいうところの「肝」は気持ちをのびやかに調整する器官と考えています。周囲の大きな変化によって、その働きがダメージを受けます。気持ちが塞がったりイライラしたり体のあちこちが凝るのはそのせいです。「肝」のゆがみが「脾」に伝わると、食欲が無くなったり胃が痛くなったり下痢・便秘・腹張・腹鳴のほか、夢が多くなります。「心」に伝わると、不安感・眠りが浅い・動悸のほか、胸の痛みなども起きる事もあります。

 まず、話をよく聞いてくれる専門医に受診するのがよいでしょう。食養生では、タマネギは身体を温める他、気持ちを楽にしてくれます。セロリは熱感を取り除いてくれるので、のぼせ・イライラ・頭痛・めまいに良いとされています。眠って気持ちの疲れを癒しましょう。

 中国漢方では、邪魔をするものがあるとき「実」といいます。肝の気の流れが邪魔されているときには、加味逍遥散(かみしょうようさん)や抑肝散(よくかんさん)や釣藤散(ちょうとうさん)などを勧めます。脾に伝わり水のよどみが気の流れを邪魔して喉に違和感があるときは、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などを勧めます。不眠の場合は、温胆湯(うんたんとう)を勧めます。

 一方、不足するときには「虚」といいます。肝の陰(安定成分)が不足してのぼせるときは、杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)を勧めます。肝の血(滋養成分)が不足してイライラして眠れないときは、酸棗仁湯(さんそうにんとう)を勧めます。心の血と脾の気(活動成分)が不足してクヨクヨして眠れないときは、帰脾湯(きひとう)を勧めます。心と腎の陰が不足してあせって眠れないときは、補心丹(ほしんたん)を勧めます。

 いずれにしても、「いま・ここ」を喜び感謝できるように、毎日の生活を工夫したいものです。